選書コメント
戦後間もない頃に出版された食エッセイ、いや随筆の古典中の古典。戦前の思い出も戦中の窮乏も、垣根なく飄々とつづられています。殊更に情感をこめることもなく、おいしかったものやそうでもなかったものが淡々とつづられる中、食べることの楽しみがじわじわと伝わってくる珠玉の退屈を堪能していただきたい。今とは全く異なる当時の食文化や食に対する価値観を生々しく感じることができるのも興味がつきません。
稲田俊輔
料理人・飲食店プロデューサー。
京都大学卒業後、飲料メーカー勤務を経て(株)円相フードサービスの設立に参加、南インド料理専門店「エリックサウス」を始め広いジャンルにまたがる多くの飲食店の業態開発やメニュー開発を手がける。
イナダシュンスケ名義では食に関する独特な切り口の情報を発信し、SNS等で度々話題になっている。
近著に『おいしいものでできている』(リトルモア)、『だいたい1ステップが2ステップ! なのに本格インドカレー』(柴田書店)
稲田俊輔さんに書いていただいたエッセイはこちら
フヅクエ文庫とは
誰かにとって大切な本が、また別の誰かにとって大切な本になったらいい。さまざまな選者による、忘れがたい一冊を集めた選書シリーズです。寄せられたコメントに導かれて、思いも寄らない本との出会いをお楽しみください。
書籍の販売価格について
定価 1~499円 →販売価格 500円(税込550円)
定価 500~999円 →販売価格 1000円(税込1100円)
定価 1000~1499円 →販売価格 1500円(税込1650円)
定価 1500~1999円 →販売価格 2000円(税込2200円)